とある駅のホームにて

今日はレコード店にご挨拶に回ってきます。今、駅のホームで電車を待っているんですが…。 

今、左前方の4人掛けのベンチが埋まりました。 
さっきまで23~25歳くらいの綺麗な女性が一人で座っていたんですが、そこに1人の初老のオバちゃんがまず座りました。席につくなり、そのオバちゃん(勝手にヨネさんと命名)は女性(勝手に美嘉さん)に、 
「なんだか今日は暑くなるのか寒くなるのかわからないようなお天気ですねぇ。」 
と気さくに話し掛けました。美嘉さんは少し戸惑いながらも、読んでいた雑誌から目をあげて、 
「ホントですね。」 
と微笑みました。 
「こんな日は上に何を羽織るか考えちゃうねぇ。脱いだり着たりすぐできるものを羽織らないとね。」 
「そうですよね。」 
美嘉さんはヨネさんにまた微笑みながら言いました。 
「すごい可愛いカーディガン。ワンピースも清楚で素敵ね。」 
「ありがとうございます。でもちょっと寒いかもって思ってたんです。」 
「これから学校ですか?」 
「はい。」 
「そうなの。私はね、これから娘のトコへ孫に逢いに。」 
「そうですか。」 

なんか、すごい新鮮な風景を見ている気分で僕は2人のやりとりを斜め後ろからぼんやり眺めていました。 

と、今度は初老の夫婦が2人の間に座りました。これで4つの席が埋まりました。座る時、初老の男性(正夫さんと命名)は 
「まだしばらく待ちますね?」 
とヨネさんに言い、奥さんとおぼしき女性(節子さんと命名)を席に促しました。 
「あと15分くらいかな?」 
とヨネさんは言いました。すると美嘉さんが 
「あと10分くらいですね。」 

…。 

正夫「今日はこれから墓参りに行くんです。」 
ヨネ「そうですか。どなたかお亡くなりに?」 
正夫「私の弟なんですよ。」 
ヨネ「そうですか。」 
正夫「岡部町に先月お墓を建てまして。」 
ヨネ「良い所です。」 
4人で、この後10分程、おおよそ初めて知り合ったとは思えないような会話がなされました。 
フォレストガンプを見ているような気持ちでした。 

電車がやってきます。 
ヨネさんの 
「では行きましょうか。」 
の声で4人は席を立ち、4人それぞれバラバラに電車の中へ。どうやら正夫さんと節子さんは夫婦でも知り合いでもなかったようです。 

今日アルバムリリースです!