ゴックン、なんだか、夢のような時間を過ごしました。
今思うと、自分たちのライブはキンチョーしすぎて頭真っ白のまんま、一瞬で終わっちゃった感じもしますけども、楽しかったのと沢山の人たちへの感謝で、何やら得体の知れない力が僕の心の中に溢れてくる感じがして…
てか、昨日はそんな事を思いながら眠りについたんですけど、実際に見た夢はとてもリアルでした。リアル過ぎて、起きてからしばらく途方に暮れてしまうくらいでした。すんげー恐かった!!
渋谷駅の埼京線のホームに行くまでの長い通路わかります?
すんごい長いから平らなエスカレータみたいのが動いてるんです。
あの空港にあるヤツです。
僕は友人と2人で埼京線に乗ろうと歩いていると、前方にそのエスカレーターが見えました。と、近づいてみると、何やら白いジャージを来た草刈正雄似のナイスミドルがそのエスカレータをなに喰わぬ顔で逆走しているではないか!逆走と言ってもその乗り口の所で一定のペースでジョギングしてる…
つまり、あのエスカレータで「ルームランナー状態」なのです!
「うそだろ…?」
みたいな感じで僕は隣の友人を見ると…何故かソイツは目をギラギラ輝かせて、
「マジかよ…?…まさかこんなトコロで逢えるなんて…?」
と、驚嘆とも感激ともおぼつかない恍惚の表情でその正雄似ナイスミドルを見つめているのです。
と、正雄を見てみると、相変わらずジョギング状態で、給水までしちゃってました。ホッホッホッと小気味良いペースを保っています。すると…
隣にいた友人が狂ったように正雄の元に走りより、乗り口の場所でペースを保つ正雄の前に憤然と立ちはだかり、クルリとこちらを振り返ると、イキナリ大声で叫び始めたのです。
「コラァーッ!!早く次の問題出せやぁ~っ!!」
気がつくと正雄と友人の回りには人だかりが出来ていました。
僕はただただ悲しくて、泣きながら、オロオロしていました。
「早く5つ答えさせろー!ひろしぃ~っ!ホイッスルやぁ~!」
何故か最後は関西弁でした。
僕は人だかりの中で泣きながら、周りの人に
「関口さん探して下さい…お願いします…。誰か、この中に関口さんはいらっしゃいませんか!?最悪ナベさんでも結構です…。早くしないとあの2人…。…誰かぁ!誰かぁ~っ!!」
最後は言葉になっていませんでした。
と、
人ごみの中で関口宏さんが申し訳なさそうに辺りを窺っていました。その肩を…ポンッとナベさんが叩きました。
関口さんは自信なさそうにナベさんを見やると、ナベさんは少し笑って、コクリと1つ、頷きました。
もう宏さんの顔には迷いはありませんでした。
胸を張って深呼吸を1つすると、首にぶらさげたホイッスルを駅中に響き渡るくらい爽快に鳴らしたのです。
辺りは喝采に包まれました。
みんなはお互いの顔をみて頷き合い、抱き合ったり、ハイタッチしたり、紙吹雪を巻いたり、パレードのようでした。
その中で…
草刈正雄似のナイスミドルは、
ただ黙々とペースランニングを続けておりました。
でも、ホイッスルを聞いた瞬間、口元がニヤリと緩んだのを…
僕だけは見逃しませんでした。