先週、仕事中にPCのキーボードあたりに違和感を感じたのでふと見ると、どこから迷いこんだのやら、クワ先輩がおりました。キーボードの横に。笑
一瞬、ゴキ先輩かと思って「わあ」みたいになりましたが、
「ハーイ☆お久しぶり!・・・で、やんす?」
と若干緊張して挙動不審だったのですぐにクワ先輩だってわかりました。
挨拶がてら、お尻のトコをちょこん、ちょこん、て軽く押したら
フンガーッとっと。フンガーッとっと。
と2、3歩前に出ては
「丈夫の構え(ますらおのかまえ)」
をとり、その後ハサミを目一杯広げて、
「クワガァ~タ☆」
とポージングを決めてくれました。
「先輩はいつまでも変わんないなあ」
と手の平に載せると、
「オレっちらのルールでねえw」
とヒョコヒョコ僕の指を昇り始めたので、
「あ!先輩、アレ、いいっすか?」
と聞くと、
「アッハッハ!・・・かめへんよ。」
と言うので、
ペイッ!!
と、僕は手を振って机の上に裏返しに叩きつけました。
と、先輩、仰向けに6本の足をキュッと体にしまい込むようにして、ジッと固まって、
「(・・ええぞ。やってみぃ。)」
と言うので、
「(マジいいっすか?・・いきますよ)」
と、僕は机の上の先輩を軽くデコピンしました。
先輩はあの頃のまんま・・・
あの頃のように・・・
まるで氷の上で踊るように・・・
空を渡る鳥のように・・・
机の上を滑って床に落ちました。
「先輩?大丈夫すか! いけますか!?」
「あ・・・ああ。い、いけるで。全然大丈夫やで?」
僕は悪ふざけが過ぎたと、先輩を机の上にそっと戻すと、先輩、
「クワガァ~タ☆」
と健気にも気丈に振る舞ってくれました。
しばらく先輩との懐かしい一時を過ごした後、昼食の残りの胡瓜の浅漬けの上に先輩を載せて、外の木陰でさよならしたのですが、あぁ、先輩は変わってなかったけど僕は変わってしまったな、と思いました。
昔の僕なら、お小遣いをはたいて先輩の為の家を買い、近所の木工所に先輩のベッドをもらいにいき、スイカの食べカスを先輩に与え、先輩にぴったりの名前をつけ、仲間を紹介し、時には闘わせたりした事でしょう。
渋谷に着きました